高級クラブのホステスとして働くなら知っておきたい基本システム
高級クラブは「会員制」システムを採用
キャバクラと高級クラブの一番大きな違いといえば「会員制」であることです。
一見さんお断り、という言葉を聞いたことがありませんか?
つまり、高級クラブは、初めての方は飛び込みでは入店できないということです。
キャバクラであれば、どんなに高級なお店でも、初回でお断りという事はなく誰でも入店できます。
けれど、高級クラブは、クラブのレベルが上がれば上がるほど、何のコネもないお客様が入店するのが難しくなります。
高級クラブに入店するためには、まずそのお店にどなたかお知り合いがいないと入れません。
お客様同士のご紹介でも構いませんし、ママやホステス、オーナー様とお知り合いというのでも構いません。
とにかく、お店の関係者の紹介がなければ、高級クラブには入店は不可能です。
高級クラブには社会的地位の高いお客様が数多く訪れます。
お店の格式やムードを守るためにも、ある程度身分の保証された方でないと、お店の信用にかかわるのです。
紹介によって身分のしっかりしたお客様だけが入店できるようにすることで、お客様も安心してプライベートの時間を楽しむことができます。
高級クラブの接客スタイルは複数人が基本
キャバクラと高級クラブは、接客スタイルも異なります。
キャバクラは基本的にキャバクラ嬢とお客様が1対1で接客しますが、高級クラブはお客様1人に対し、複数のホステスが接客します。
お客様につくホステスにはそれぞれ役割があります。
メインでお客様に付くのが「係」と呼ばれるホステスです。
また、係のホステスをサポートする「ヘルプ」と呼ばれる役目のホステスがいます。
基本的な接客スタイルはお客様1名に対し係のホステスが1名、ヘルプのホステスが複数名といった感じですね。
そのため、高級クラブの接客の良し悪しはホステスたちのチームワークが重要です。
特に係のホステスはお客様の接客とヘルプのホステスの取りまとめなど、チームでの接客をまとめる力量が問われます。
『係』とは
「係」とは、キャバクラでいうところの「担当」のようなものです。
お客様に指名して頂き、係となったホステスは、そのお客様の好みから交友関係、立場などすべて把握して接客を行います。
たとえばお客様がお一人で来店された場合は、係のホステスがそのお客様の好みに合わせてヘルプの女の子を選びます。
また、お客様が接待のため複数で来店された場合は、接待を成功させるため、お客様の立場などを考慮してヘルプを配置したり場を盛り上げます。
キャバクラの担当がお客様一人とお話していればいいのと違い、高級クラブの係は、そのテーブルすべてを采配する管理者のような役割を行います。
『ヘルプ』とは
ヘルプは、係のホステスの仕事をサポートする役割を担います。
係のホステスは基本的に売れっ子なので、ひとつのテーブルにだけついているわけにはいかないこともよくあります。
そんな時に場を繋ぎ、お客様の機嫌を損ねないように盛り上げるのがヘルプの基本の仕事です。
また、お客様が複数人で来店された際にも、ヘルプとしてテーブルに付き、お客様のお相手をしたりします。
係のホステスが席を離れていない限りは、お酒を作ったり煙草に火を付けたりといった雑用的な仕事が基本です。
高級クラブでは、お客様の売上は全て係のものになります。
係にならない限り、ヘルプの収入は日給のみです。
それなら、ヘルプが頑張っても意味ないと思いますよね。
でも、ヘルプの仕事を頑張ってこなせば、ママや係のホステスに気に入られ、いいお客様のヘルプを任せられるようになります。
それを繰り返していくうちに、自分も指名がつき、係のホステスにステップアップできるんです。
係のホステスはヘルプがいないと良い接客ができませんし、ヘルプのホステスは係がいないと成長できません。
だからこそ、高級キャバクラはホステス同士のチームワークがとっても重要なんです。
キャバクラだとナンバーを競ってそれぞれがしのぎを削っているところが多いですが、そういう意味では、チームワークを重視する高級クラブはホステス同士仲が良いところが多いです。
・高級クラブは初回の人がフラッと入れない「会員制」である。
・高級クラブの接客は、お客様1人に対しホステス複数するチーム制
・「係」のホステスはお客様の担当のようなもので最大限におもてなしする
・「ヘルプ」は係のサポート全般を行う
高級クラブの料金システム
高級クラブについてよく知らないと、高級クラブの料金システムはハードルが高いと感じている方が多いのではないでしょうか。
たしかに、高級クラブの料金システムはキャバクラよりもわかりづらい上、ホームページなどで公開しているお店が少ないため、高級クラブの料金システムは謎に包まれているといえるかもしれません。
皆様にもわかりやすいように、高級クラブの料金システムの基本をご紹介します。
基本料金+発生するチャージ=セット料
まず、高級クラブはセット料金制です。
キャバクラでもセット料金というのがありますが、高級クラブのシステムは少し異なります。
キャバクラは時間制ですが、高級クラブは席に着いた時点で料金がかかります。
席に着いたらかかる基本料に、各種のチャージ料を追加したものがセット料となります。
チャージ料もキャバクラはタイムチャージだけですが、高級クラブはいくつものチャージがかかります。
お店によって名前が異なりますが、よくあるチャージは以下の5つです。
テーブルチャージ | テーブルの利用料としてかかるチャージ料です。 1人あたり3000~5000円程度が相場です。 |
ボーイチャージ | 配膳や雑用をこなすボーイに対するチャージ料です。 こちらはお客様1人に対して2000~3000円程度。 |
サービスチャージ | いわゆるサービス料のようなものです。 お会計の金額の35%から50%程度が相場で、高級クラブであれば40%以上が一般的です。 |
タイムチャージ | 1時間あたりにかかるチャージ料です。 高級クラブですと、1時間15000円程度のタイムチャージが相場です。 |
ホステスチャージ | キャバクラでいうところの指名料にあたるものです。 だいたい3000~5000円程度が相場です。 ホステスチャージに関しては、係のホステスの采配で付いたり付かなかったりします。 |
すべてのチャージ料を加算し、銀座や六本木あたりの高級クラブですと、大体セット料金は35,000円~38,000円程度が相場です。
よく「クラブに行くと座っただけで3万円」というのは、このセット料金を表しているんですね。
初回の場合は必ずボトルを入れる
高級クラブに初めて来店されるお客様は、必ずボトルを入れる必要があります。
そのため、初回はセット料金以外にボトル代がかかるのに注意して下さい。
ボトルの金額はお店のレベルによっても異なりますが、高級クラブのボトルとなると、20,000円を下回るボトルはあまりないでしょう。
ボトルはキープしておけるので、初回でボトルが余れば、次回以降に持ち越せます。
その場合、次回はボトル代はかからず、セット料金だけで楽しむことができます。
高級クラブは「永久指名制度」
キャバクラは行くたびに指名する女の子を変えることができますが、高級クラブは「永久指名制度」です。
つまり、初回来店時に一度指名したホステスの担当を変えることはできません。
お客様に指名されたホステスは「係」となって、毎回お客様の担当として接客のメインを務めます。
永久指名制度のため、担当が変わるとすればそのホステスがお店を辞める時です。
ただし、永久指名制度だからといっても、ヘルプで他の女の子と話すこともできますし、同伴やアフターは誰を誘っても自由です。
キャバクラの担当制度とは異なり、高級クラブの永久指名制度は、あくまでもお客様係としての担当というイメージに近いですね。
高級クラブはお客様から指名をもらうのが難しいですが、その分指名を取れれば大きく稼げるようになります。
永久指名制度は色々とメリットがありますが、お客様にとっては一人のホステスが係として付いてくれることで、自分の好みを把握した接客を常に受けられるというのが大きいでしょう。
お店にとっても、お客様の奪い合いにならないなど、いいことばかりです。
高級クラブには売掛というツケのシステムがある
高級クラブには「売掛」という独自のシステムがあります。
いわゆるツケのこと
高級クラブで働くホステスの給料形態というのは独特で、簡単に説明すると係のホステスは高級クラブという場所を借り、自分のお客様をおもてなしします。
そこで、売上げから諸経費をお店に払い、残った分が自分の給料となります。
そのため、高級クラブでは、お客様のお会計の金額をチャージ料の調整などである程度決めることができます。
つまり、自分が呼んだお客様がたくさんお金を使ってくれれば、その分自分の手元に入ってくるお給料も多くなります。
普通の飲食店やキャバクラであれば、お客様の代金はお客様ご自身で支払うのが当たり前です。
しかし、高級クラブの場合は会員制で身元のしっかりしたお客様という前提があるため、ツケ=売掛が通用する風潮がずっと存在しています。
お客様がツケでとおっしゃった場合は、その日のお会計は売掛となります。
売掛金をお客様が支払う期間はお店によっても異なりますが、大体60日が目安とされています。
もしも60日を超えてお客様から売掛金が支払われない場合、そのツケは係のホステスの給料から引かれます。
もしも足りなければお店への借金となり、金額が大きければ大変なことになります。
実際にあった売掛金でのトラブル
私はまだ高級クラブで売掛金のトラブルに巻き込まれたことはありませんが、バブルの時代は数百万単位で遊ばれるお客様も多く、売掛金のトラブルも多かったようです。
中には数千万もの売掛をかぶってしまったホステスもいたとか……。
お店を辞めても借金は残ったままですから、取り立てに追われて大変な目に合ったのは言うまでもありません。
高級クラブの売れっ子として優雅な暮らしを送っていたホステスも、売掛のトラブルでタワーマンションを立ち退きしなくてはならなくなった、なんて話もよくあります。
私が以前聞いた話では、とあるホステスを熱心に口説いていたお客様が、脈がないとわかると売掛を踏み倒して飛んだ、というものがあります。
なので、私はできるだけお客様の売掛は作らないような接客を心がけています。
売掛もお客様との信頼関係なので、時には仕方ない事もあります。
けれど、自分が損をしないためにもあまり売掛を増やすような営業は避けた方がいいでしょう。
・高級クラブは席に着いた時点で料金がかかりいくつものチャージ料が加算される
・銀座・六本木の高級クラブのセット料金は35,000円~38,000円程度が相場
・初回はセット料金以外に2万円以上のボトル代がかかる
・高級クラブは永久指名制度でそのホステスが辞めないかぎり変更は不可
・高級クラブには売掛というツケのようなシステムがある
・売掛のお金をお客様が期限内に支払わないとホステスの給料から引かれる